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模倣

久しぶりのブログです。
今回は「模倣(まねる)」ということについて考えてみたいと思います。
赤ちゃんが身につけたり、覚えていかなければならないことは、大変な数になります。もし、親が一つ一つ教えていくとしたら、気の遠くなる作業となるでしょう。
人は、真似をすることができる、または真似をしたがるから、生きていくために必要なことを身につけていくことができるといえるでしょう。
発語器官、呼吸コントロール力が発達し、社会的かかわりができてくると、見よう見まねで口を動かし、声を真似してことばを習得していくのです。ことばを獲得する過程で模倣は重要な役目を担っているといえるでしょう。もし、真似をしない、したがらない子どもがいたらどうでしょう。「この子は私の言うことはわかっているようなのに、口をきいてはくれないんです」とお母さんが相談に来て、まず最初に訴えることがよくあります。子どもの中には親の発語ばかりでなく、動作・振る舞いにも関心を示さない方がいます。そんな方々の教育相談・療育にかかわる専門家にとっても「真似しない」ということは頭をかかえる大きな問題です。
お母さんにベッタリくっついていては、お母さんの声掛け・動作にさえ関心を示しませんし、もちろん模倣もしてもらえません。療育担当者は思わず真似したくなるような声・表情・動作を見つけなければなりませんが、とても難しいことです。誘導したり、少々強制して動作を真似させて、直後に「くすぐり」「プッシュ」「振動」など対象とする子どもの好みの刺激(「ニコッ」とする)を提供しましょう。これは自分から真似している(モデリング)のではなく、模倣訓練といいます。模倣することが楽しくなり、習慣化するまで繰り返し、色々な動作や音声の模倣訓練を進めましょう。
「模倣」が活発化すると目に見えて全般的に成長している姿が見られるでしょう。もともと真似をすることを得意とする赤ちゃんに感謝しましょう。