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自閉症の特徴

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世の中には話すことができない人も状況によっては話せなくなる人もいます。
少々前のことになりますが、私のかかわっていたお子さんに知的遅れをもつ自閉症(養護学校高等部)の男の子がいました。ある日、その親御さんから電話があり、「うちの子が警察に捕まって大変なのです」というのです。聞くと、線路に石ころを置いたという「列車往来妨害罪」ということでした。踏切りに石ころを置いたところをたまたま巡回していたお巡りさんに目撃され、そのまま警察署の取調べ室に連れて行かれ、厳しい訊問を受けたとのことです。
彼は状況を理解することが難しく、新奇な緊張場面に置かれるとパニックを起こし、奇妙な行動をとることがあるのです。でもそれは自閉症の特徴でもあります。
体格は大人並みでも問いかけに対応した発言はまったくなく、その上に「空笑い」や「奇声」を発するため、ついには取調官が怒り出したそうです。
警察官に「発達障害について勉強しなさい」とは言いませんが、世の中には色々な方がいるのですから、まず身分証明書などから学校や家庭に連絡すべきだったのではないでしょうか。
厳しい訊問を開始する前に彼のカバンにある身分証明書から学校や家庭に連絡しなかったことは一市民として理解できない―と抗議しました。