Archive for year: 2014

自閉症の特徴

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世の中には話すことができない人も状況によっては話せなくなる人もいます。
少々前のことになりますが、私のかかわっていたお子さんに知的遅れをもつ自閉症(養護学校高等部)の男の子がいました。ある日、その親御さんから電話があり、「うちの子が警察に捕まって大変なのです」というのです。聞くと、線路に石ころを置いたという「列車往来妨害罪」ということでした。踏切りに石ころを置いたところをたまたま巡回していたお巡りさんに目撃され、そのまま警察署の取調べ室に連れて行かれ、厳しい訊問を受けたとのことです。
彼は状況を理解することが難しく、新奇な緊張場面に置かれるとパニックを起こし、奇妙な行動をとることがあるのです。でもそれは自閉症の特徴でもあります。
体格は大人並みでも問いかけに対応した発言はまったくなく、その上に「空笑い」や「奇声」を発するため、ついには取調官が怒り出したそうです。
警察官に「発達障害について勉強しなさい」とは言いませんが、世の中には色々な方がいるのですから、まず身分証明書などから学校や家庭に連絡すべきだったのではないでしょうか。
厳しい訊問を開始する前に彼のカバンにある身分証明書から学校や家庭に連絡しなかったことは一市民として理解できない―と抗議しました。

「サヨナラ」が「ラァ~」

発達に問題のあるお子さんで、「サヨナラ」と声をかけると「ラァ~」と手を振りながら大声で反応する方がいらっしゃいます。
サ・ヨ・ナ・ラという発声は「ヨ」がベロ(舌)が下に抑え込まれますが、「サ」「ナ」「ラ」は3つとも口蓋(口の天井部分)に接触して発する声なのです。それぞれが接触の仕方が異なっているので、出てくる音に違いがでるのです。
 「サヨナラ」と発声するには、ベロの運動は並大抵ではありません。上に行って、下におりて、上に2往復するという運動神経の活発な働きがなければ、発声できないのです。
 ベロの運動神経が鈍くてスムーズに動かないとか、ベロが緊張しやすくて自由に動かないといった問題があれば、「サヨナラ」と発声できません。
 1回だけの往復なら何とかなる場合は、一発勝負で「ラァ~」と発音し、あとは手を振りながらニコニコ笑顔で補充することになります。楽しい別れ、「また明日」でよいのではないでしょうか。
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「落ちこぼれ」にならないために

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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幼児の時期に「落ち着きがない」とか、「乱暴だ」などの理由で園から診察を受けるようにすすめられるお子さんがいらっしゃいます。
お医者さんは「多動症」「自閉」「広汎性発達障害」などの診断を下すことがよくあります。たとえば園での生活や指導の効果で改善され、集団に参加できるようになります。そしてこのお子さんが小学校に入学するにあたって、行動面でもお勉強の面(ひらがなが読める・書ける・数の操作可能など)でも何も問題がないとされます。音読したり、字を書いたり、足し算・引き算もこなし、同級生との交流はスムーズでない点を除いていい子で学校生活を送ることができます。ところが、1年生も後半となるところで国語などでの文理解困難・算数などでの文章題の処理不能が生じ、いわゆる最初の典型的な「落ちこぼれ」が出現します。入学時に、できれば幼児期に将来のつまずきを予測することができれば、前もって特訓(先取り援助)によって「落ちこぼれ」を予防することができます。専門家とは、「予測して」「特訓する」ことができる人のことを言うのです。